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Sting In The Tale / JOHN LAWTON BAND
火薬バカ一代 ★★★ (2023-07-25 00:32:16)
‘21年に急逝された稀代の名シンガー、ジョン・ロートンがJOHN LAWTON BAND名義で’03年に残したスタジオ・アルバムとしては唯一の作品。(ライブ盤はあるのかな)
90年代以降は、クリスマス・シングル用にWHAM!の有名曲“LAST CHRISMAS”をカヴァーしてみたり、ブルージーなアコースティック・アルバムを制作したり、ケン・ヘンズレーとコラボってみたりと、HR/HMとは若干距離のあるマイペースな活動に身を置いていたロートン先生ですが、若手メンバーをバックに従えてレコーディングされた本作では一転、骨太なブリティッシュHRサウンドをパワフルに披露(前年に実現した来日公演も良い刺激になったのかな?と)。エッジの効いたリフ&リズムがズンズン押し出してくるOPナンバー①のイントロが始まった途端、こちとら思わずニンマリ笑顔になってしまいましたよ。
晩年まで衰えとは一切無縁だった御大だけに、ここでも張り良し/艶良し/伸び良し、聴いてるだけで背筋がしゃんと伸びる抜群の歌声を響かせてくれています。無論、歌だけ良くても肝心の楽曲がお粗末だったら話にならないわけですが、前述の①を手始めに、愁いを湛えたメロディに熱唱が映える③、譜面に忠実なだけでは決して歌いこなせない⑤、温もりに満ちたバラード⑦、軽快に弾む⑨等、収録曲は粒揃い。特にダイナミックな曲展開の中にURIAH HEEP時代を思わす壮麗なコーラス・ワークが舞う⑩はまさしく本編のハイライト。終盤に炸裂するロートン渾身のハイトーン・シャウトには痺れずにはいられませんて。
そんなわけで、廃盤のままほったらかしは殺生な名盤。LUCIFER’S FRIEND Ⅱの国内盤発売が実現する昨今ですから、是非本作のリイシューもご一考頂きたいなぁと。

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