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Dying of Everything / OBITUARY
kamiko! ★★ (2023-08-12 01:08:17)
米国産デスメタル2023年作
初期の3作Slowly We Rot(1989年)、Cause of Death(1990年)、The End Complete(1992年)のクオリティが高すぎて
その後のアルバムは受け入れられず、ずっとスルーしてきたが、ほんのりと初期のテイストが戻ってきた今作を過剰な期待をせずにゲット。
感受性豊かな若い頃に衝撃を受けたバンドだけあって、なかなか新作というモノが耳に馴染まないということはありますが
初期の衝撃再び、というワケにはいかない及第点なサウンドだな、というのが正直な感想だ。しかし、悪くない。
初期作品にあって、現在薄れつつある固有のモノ、というのがハッキリある。初期作品は倍音が少な目の控えめな音像ながら芯のある音だった。
決してギターは目立ち過ぎず、他のフロリダデスと比べても静かなるデスメタルといった感じが魅力だった。
そんな音作りで、高密度に刻み、電源をブチッと落としたかのようなブレイクが入る。
そんなスタイルのギターが、粘り気のあるドラムのリフ回しに絡み合うコラボレーションが絶妙だった。
確かにその音像は現在も引き継がれてはいるものの、初期の音の方が個性が際立っているんだよ。
まあ、古参のギタリストのスタイルは変わらないんでしょうが、後期から参加するギターの色が若干そのスタイルを変えてるのかも。
古参の古学校死サウンド自体が貴重ですから、このサウンドがハマらないワケではないんですがね。若干コマーシャルな印象を受けてしまうのが難点。
ダメ出ししたけど、冒頭で言ったように、決して悪くはない。少なくとも近作よりは良いサウンドに進化(戻りつつ)しつつあるね。
なんにしても、90年代初頭デスメタル黎明期の古参デスメタルバンドが息長く活躍し、しかも勢いを取り戻しつつあるのがいいね。
Autopsy、Pestilence、Possessed、Cadaver、Massacre、Benediction、Messiahあたりの90年代を彩った古株デスメタルがツボを突く作品を出している。
だからこそ、このバンドにも当時の衝撃を再び期待してやまない。

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