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Touchdown / U.D.O.
失恋船長 ★★★ (2023-09-02 17:07:23)
ウド・ダークシュナイダーの活動意欲には頭が下がりますよね。もう70歳過ぎのおじいちゃんですからね。このバンド、常にACCEPTとの比較という十字架を背負わされるというのか、類似性という呪縛から解き放たれることの無いバンドでしたが、そういう議論がいかにくだらないかが今作を聴けば理解できるでしょう。
今の若い人にとっては古典も古典のクラシックメタルである。今回はミックスの段階で80年代的な煌めきも視野に、全盛期のスタイルを見つめ再度、精練し直しているという作業だろう。キャッチーで耳馴染みの良いメロディ、そこに絡む重厚なコーラスワーク、④では中盤の突如、トルコ行進曲まで突っ込み完全にやりに行っている。本家よりもACCEPTらしいと言わせるのはウドの声があるからだが、個人的にはデヴィッド・リースを下に見たこともないし、現在のヴォーカルであるマーク・トーニロに関しては、よくぞ大役を降りずにやり切っていると感謝すらしている。
そういう意味でも今作に対するネガティブな感情は湧き起こらないのだが、こういうサウンドメイクになればなるほど類似性の比較は免れないだろう。それをいい意味で受け止められたならば最高傑作となるのだが、いずれにしろヘヴィメタルというジャンルにおいて、これほど忠誠心の高いバンドはいない。全13曲で53分というランニングタイムの集中力を切らさないところを攻め視聴感も上々、黄金期のそれに肉薄するサウンドを作り上げた彼らには賛辞を送りたい。ピーター・バルデスがバンドにいるという効果もあったのかなぁ?なんて考えちゃいますね。
聴きやすいわ。分かりやすいわ。適度にハードでヘヴィでキャッチー、そして派手目のソロも盛り込み起伏のある展開を作り上げています。迷いを感じさせないU.D.O.サウンドの強み、見事に炸裂しましたね。古いだけじゃないのもイイよね。

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