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色即是空 / 人間椅子
失恋船長 ★★★ (2023-10-12 17:21:04)
近年の精力的な活動と勢いに驚かされますね、日本語歌詞ながら海外でも人気を掴んでいる希有なバンド。今作も自らのルーツなる音楽性を土台にアッパーな曲がバランス良く支配。かつての和島が書いた中途半端なポップ路線は皆無、鈴木の描くエグいゴン太なサウンドと、和島の描く世界観が無駄なく並べられ視聴感は前作以上に親しみやすいモノである。
今、日本のメジャーアクトでラウドネスやアンセムは別として、ここまでヘヴィな音像でアルバムをリリースできるのは彼らくらいなモノだろう。とにかくキャッチーでメロディアスな曲が多いと感じる、それは和島のギターアプローチが今まで以上にメロディアスなものになっているから。
灰汁の濃い面は鈴木のベースが担当、彼の曲もエグい。今作を聴き一番感じたのは、アングラ臭の配合が絶妙。彼ららしさを損なわず、前作以上に間口を広げ多くのファンを迎え撃つ準備をしている。従来のファンも満足するだろうが、新規開拓にこそ意味があるだけに、この方向性は大いに支持できる。究極の同人誌メタル。そのマニアックさは内向きではなく外に向かって解放。
だから求心力が強いモノに仕上がったんでしょうね。相変わらずのオマージュも個人的には大好物。明確なコンセプトを立て作り上げたサウンドに隙は見当たりません。とにかく勢いのある曲が多いので、そっち系が好きな人には大いにしじするでしょう。いずれにしろ彼らにとっては新しい代表作となる一枚。和島のギターがいい、和島式アイオミが大好きなのだが、ここまでメロディアスなアプローチをとるとは驚きだ。その解釈が新鮮な風を吹き込んでいる。ナカジマノブのドラムも勢いを殺していないねぇ。
他に適任がいたとしてもメンバーシップは重要だ。

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