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Race / Pseudo Echo
火薬バカ一代 ★★★ (2024-06-18 00:38:41)
日本でもTVドラマ主題歌に起用されてたりと馴染み深いLIP INC.のディスコ・チューン“FUNKYTOWN”をカヴァーして、世界的に大ヒットさせたことで知られるオーストラリアはメルボルン出身の4人組、PSEUDO ECHO(スード・エコーと読む)が’89年に発表した3rdアルバム。
彼らに関しては「一発屋のニュー・ウェーブ系バンド」というだいぶ偏ったイメージを抱いており、長らく興味の範疇外だったのですが、後追いで本作を聴いてビックリ。ニュー・ウェーブどころか、軽快に刻まれるGリフ、タイトなリズム、その上に乗っかったキャッチーなメロディといい、どっからどう聴いてもポップ・メタルの力作にいつの間にかクラス・チェンジを果たしているじゃありませんか。
勿論、リード楽器としてのシンセサイザーの有用や、中音域をメインにぬめっと歌うブライアン・ハンカムのVo(アメリカのバンドならこの手のサウンドはハイトーンかクセ声で歌いそうなところ)等々、前2作の残り香もほんのり漂って来るものの、そうしたいかにもニュー・ウェーブ然としたエッセンスに、キャッチーな80年代型ポップ・メタルが溶け合わされることで、PSEUDO ECHOならではの個性が強調される仕上がりとなっています。
曲作りの巧さ、分けてもフックを仕込んだサビメロ作りの巧さは特筆モノで、絶品に爽快感溢れる②や、煌びやかなKeyと美しいハーモニーが映える⑧辺りは、本作における試みが最良の形で抽出された名曲ではないかと。
最終作になってしまったことが残念でならない充実作です。(今は再結成したのかな?)

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