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Shout at the Devil / MOTLEY CRUE
火薬バカ一代 ★★★ (2024-08-22 23:15:01)
散々煽った末に萩本欽一ばりの「カイサーン、なしよ」なちゃぶ台返しや、その後のミック・マーズとの泥仕合等、最近は何だかなぁと思わされることが多いMOTLEY CRUE。本作は彼らが'83年に発表した2ndアルバムで、先日CD棚の整理をしていて発見し久々に聴き直してみたら、このアルバムってこんなにカッコ良かったっけ?とその出来栄えに惚れ惚れとさせられてしまいましたよ。
トム・ワーマンによるタイトな音作り、ファッショナブルさよりも威嚇重視のメンバーのルックスに、切れ味の鋭さを増したパフォーマンス、売れ線のバラードなんぞには目もくれず、ひたすらクールなGリフ作りに心血が注がれている楽曲といい、本作はまさしく「LAメタルの教科書」と評されるに相応しいクオリティ。イントロSE①に続いて炸裂するヘヴィ・メタリックなKISSといった趣きの②、頭振りたくなるキャッチーな③.歯切れ良く駆け抜ける④、一転叙情的に奏でられるインストの小曲⑤、THE BEATLESの名曲の攻撃的なカヴァー⑥、愁いを帯びたリフが刻まれる⑧、ドラマティックに盛り上げて本編の幕を下ろす⑪…といった具合に、これ聴くと初期LAメタルがブリティッシュHMからの強い影響(NWOBHMのアメリカンな解釈)の上に成り立っていたことが良く分かりますね。特に疾走する名曲⑦のツインGの運用法等はJUDAS PRIESTを彷彿とさせるぐらいですよ。
これが最高傑作か否かはさておき、個人的に最も愛聴するMOTLEY CRUEのアルバムであることは間違いありません。せっかく解散をなしんこにしたのなら、ツアーに精出すだけでなく本作に負けないような新作スタジオ・アルバムの制作を是非お願いしたいですね。
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