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Animal Instinct / TYGERS OF PAN TANG
失恋船長 ★★★ (2024-12-24 03:55:41)
オープニングナンバーからキレキレですよね。多くのファンが待ち望むNWOBHMスタイルを叩きつけてくれました。新たに加入したシンガーのジャコポ・メイユのマイルドで伸びやかな歌声はヒステリックさがないので、メタル初心者にも馴染みやすい声質でしょう。ロブ・ウィアーの相棒を務めるディーン・ロバートソン、二人のギタリストが拮抗したギターバトルを繰り広げる事で、楽曲に勢いをつけている。特にオープニングナンバーでは、その効果は覿面に発揮されています、だから②のようなお約束ソングでも勢いを落とさすにかけぬけてくれました。

ブルージーな③など英国ロック風味が全開、UFOとかがやりそうな典型的な英国ハードサウンドです。ドラマーのグレイグ・エリスはプレイ面のみならず、楽曲構成にも貢献、このエネルギッシュなサウンドの中で八面六臂の大活躍となる。このリズム隊の貢献度は高い、古さの中にフレッシュな感性も持ち込んだのは、シンガーだけではない。2000年以降、このバンドを支えたメンバーによる躍進が、新生バンドサウンドの根幹の支えているのだろう。

④曲目も勢いがある、パワフルだが小技も聴いている。その勢いを最後まで保ったのは素晴らしい事なのだが、残念ながらスマッシュヒットとはならず、日本盤も出ているのだが、ワタクシが初の投稿と言うことは評価も低かったのだろう。
古さに埋没しない新しい感性を取り込みつつも、NWOBHM仕込みの昔風サウンドにまとめ上げた手腕。それがダサく聞こえないのが、今作最大の聴き所だろう。狙ってやれるものではない。一部の偏狭情報のせいでNWOBHMは湾曲して日本で流布された。その代表的な事象がNWOBHM四天王なのだが、他にもジョン・サイクス=このバンドと言うも、全くのデタラメである。このバンドは今も昔もロブ・ウィアーのバンド。彼がいない時代の迷走感が全てを示すだろう。

今作は2008年、醸造された正統派メタルの復権。彼らは見事のその流れにのった。この柔軟なパフォーマンスで魅了する歌声と、良きリードギターを見つけた事で、バンドサウンドに勢いが付与された。そしてタイトなリズムを刻む実力派の二人にも注目したい。そして、こういう古典こそ若い人に聴いて貰いたい。

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