この曲を聴け!
Prometheus: The Discipline of Fire & Demise / EMPEROR
29 ★★ (2001-12-31 15:03:00)
今年オススメする最後の1枚です。
EMPEROR、実はこれまで敬遠してました。何曲か聴いたことはあったけど、あまりの暴虐さというか、音の凄まじさに「アルバム1枚聴くにはなー」と思ってました。北欧の真性サタニック・ブラック・メタルっていいイメージ無かったんですよね。そのため巷で好評価のこのラスト作の4thも、何度かレジに持っていきかけたものの、結局他のアルバムを優先して聴かず終いだったんですよね。いや、この傑作を危うく聴き逃すところでした。
曲展開の見事さと構成力の素晴らしさが抜きん出ています。デス声も耳が痛くなるほどのゲロゲロ声じゃなく、かっこいい部類のデス声ですよね。この音楽性を表現するにはこれしかない、って感じの声で、「普通声で歌ってたらもっといい」なんていう評価は出そうにありません。荘厳さを演出しているシンセもこれ以上ないくらい効果的に使われてます。1曲1曲に壮大なドラマがあり、攻撃性・構成美・展開美がすごく高いレベルで融合してるなーという感じです。展開も構成もすごく複雑なのに、その複雑さが難解な表現にならずにある意味聴きやすいアレンジがされてるのがすごいです。
上で定ちゃんさんが映画のサウンドトラックのようだと表現されてますが、確かにそうですね。音楽性が音楽性なだけに、全ての人にオススメできる作品ではないですが、デスメタル・ブラックメタルというだけでこの手の音楽を敬遠されてる方にも是非オススメしたい1枚です。
個人的にはこのドラマティックさは「究極の暗黒オペラ」と呼ぶに相応しい!
→同意