この曲を聴け! 

Statetrooper / STATETROOPER
火薬バカ一代 ★★ (2010-02-17 21:36:00)
MSGを追い出されたゲイリー・バーデン(Vo)が'85年に結成。翌年、NEAT RECORDSから3曲入りEPを発表した後、
WILDFIREのメンバー(Dsは、後にゲイリーと共にPRAYING MANTIS入りするブルース・ビスランド)と合流して
レコーディング、'87年にFM RECORDSからリリースした1stフル・アルバムがこれ。
デモテープをそのまま商品化してしまったような音質や、弾不足が原因で、全9曲中ライブ音源2曲収録(うち1曲はMSGの
“ARMED AND READY"のカヴァー)という中途半端な構成は頂けないが、英国らしい湿り気を帯びたメロディ・ラインと、
元WILDFIREのGコンビの優れたポップ・センスが活かされた楽曲のクオリティは、そうした欠点を補って大いに
余りある素晴しさ。伸び伸びと動き回るツイン・リードGを聴いているとPRAYING MANTISを思い出したりもするが、
あのバンドほど哀愁味は強くなく、彼らから泣き成分を薄めた代わりに爽快感を補充したようなサウンド・・・か?
何より、本作の主役たるゲイリー・バーデンのVoですよ、お客さん。無理にヘヴィに歌おうとすると「息も絶え絶え」
ってな感じになってしまう彼氏だが、ここで聴かせてくれるリラックスした歌声は、唯一無二の個性と、生来の
歌メロ作りの上手さが際立っていて非常に魅力的。特に、スリリングでアップテンポのOPナンバー①、ツインGが
軽やかに踊るポップで爽やかな③、流麗なKeyが曲調を壮麗に演出する④、そして本編随一のハードさを誇る劇的な⑤
といった楽曲は、両者の魅力がガッチリと噛み合った名曲じゃないでしょうか。(Keyの良い仕事っぷりも見逃せない)
PRAYING MANTIS、STRATUS、LIONHEARTetc・・・といったバンド名を聞いて、食指が動く人に強くお薦めする1枚。

→同意