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Wonderworld / URIAH HEEP
火薬バカ一代 ★★ (2010-08-22 20:57:00)
ゲイリー・セイン在籍時代最後の作品となった、'74年発表の7thアルバム。(邦題は『夢幻劇』)
ブラック企業ばりのアルバム制作スケジュールや、メンバー間の対立、マネージャーへの不信感等から、当時、
バンドはいつ空中分解してもおかしくない状態にまで疲弊しきっていたらしく、そのためケン・ヘンズレーや
ミック・ボックスは、本作について「もっと良い物が作れた筈だ」と自嘲気味に振り返るが、んな事ぁない。
前作『SWEET FREEDOM』に比べ、幾分ハードさを回復したその内容は、収録曲のクオリティといい、
メンバーのパフォーマンスやアンサンブルの冴えといい、相変わらず高いレベルを維持。
本作を最後に解雇されるゲイリー・セインも、とてもヘロイン中毒が取り返しのつかないレベルまで
悪化していたとは思えぬ、素晴しいBプレイを披露してくれています。
まさに邦題通りの幻想美に満ちたアルバム表題曲①や、ヘヴィさと華やかさのバランスが絶妙な②、
ケン一押しの叙情バラード⑤、躍動感溢れるBラインが印象的な⑧、そして、妖しく美しくドラマティックな
名曲⑨など粒揃いの楽曲を聴けば、当時のバンド内部の雰囲気の悪さが、本編のクオリティに殆ど影を
落していない事が納得できる筈。流石(?)URIAH HEEP。

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