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カルメンマキ&OZ / カルメンマキ&OZ
火薬バカ一代 ★★★ (2007-11-21 22:10:00)
アングラ劇団「天井桟敷」出身で、ヒット曲“時には母のない子のように"(作詞は寺山修司が担当)で知られたフォーク・シンガー カルメン・マキが、自身の理想とする音楽を追求するために、春日博文(G)らと結成したハード・ロック・バンド、カルメン・マキ&OZの'75年発表のデビュー作。
和製ジャニス・ジョプリンと評された、圧倒的声量と表現力を備えたVo、豪快さと繊細さを併せ持つG、強烈なウネリを生み出すリズム・セクション、ハモンド・オルガンの音色で、叙情性とスケール感を演出するプログレ感覚溢れるKeyとが一体となって奏でるサウンドは、非常にパワフル且つダイナミック。
ブリティッシュ・ハード・ロックからの影響を消化吸収して血肉へと変え、更にそこに、日本人の琴線に訴えかける歌謡曲的なメロディと、ドロッとした暗いヘヴィネス(別の方の発言を借りるなら「情念」という表現がピッタリ)を加えた感じの楽曲の数々は、まさに唯一無二のカッコ良さを誇る。
タメを効かせて重々しく劇的に盛り上がっていく①に始まり、軽快なハードロック・チューン②、Voの包容力に満ちた歌声が感動を呼ぶ③、一際ヘヴィでアグレッシブな④、小粋なブルーズの小曲⑤・・・と、各楽曲のクオリティの高さも然ることながら、メリハリの効いた曲順構成も見事な本作。だが、やはり最大の聴き所は、ラストを締め括る12分にも及ぼうかという大作⑥。ヘヴィ・メタリックな攻撃性と叙情的な美しさを兼ね備えた起伏の激しい曲展開、そして圧巻の歌唱を響かせるVoと、このバンドの魅力が判り易く詰まった劇的極まる超名曲だ。(椎名林檎もお気に入りと聞く)
この曲に代表されるように、本作はカルメン・マキ&OZが発表した作品の中でも、最もアグレッシブな作風を誇る1枚なので、メタル・ファンにも強力にお薦めさせて頂きます。

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