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Hourglass / MILLENIUM
火薬バカ一代 ★★★ (2009-03-29 22:40:00)
トッド・プラント(Vo)がDOOBIE BROTHERSのツアー要員に引き抜かれてしまったため、代わりにNOW AND THEN RECORDSから紹介されたヨルン・ランデを新Voとして迎え入れ、'00年に発表した3rdアルバム。
キャッチーな叙情メロディと、マイケル・シェンカーやウリ・ロートの系譜に連なる官能的なラルフ・サントーラのGプレイ、そして美しいボーカル・ハーモニーをフィーチュアした作風は、前作『ANGELFIRE』の路線を継承しつつ、今回はヨルンのパワフルな歌唱に引っ張られたのか、よりスケールの大きな、エネルギッシュ且つポジティブな雰囲気を漂わせた曲調の楽曲が、数多く収録されているのが特徴。
特に、その筆頭と言えるのがOPを飾る名曲①で、ヨルンの突き抜けるような熱唱が「これでもか!」と映えまくる、鮮烈にして爽快感に満ち溢れた曲展開は、何度聴いても鳥肌モノの素晴しさ。MILLENIUMの数ある名曲の中でもマイ・フェバリット・ナンバーはこの曲で決まりでしょう。
正直、彼のVoはこの手のメロディアス・ハード物を歌うにはややパワフル過ぎるというか、クドイ感が無きにしも非ずなのだが、とは言え、HR/HMシーン屈指の実力派シンガーとして鳴らすだけあって、歌の上手さは折り紙つき。本作においても、劇的なスロー・ナンバー③や、情感豊かに盛り上がるブルージーなバラード⑧といった楽曲で披露される、胸を締め付けんばかりのソウルフルな歌唱は実に感動的。まさに唯一無二。
収録曲数が全10曲に抑えられた事で、本編の構成もタイトに引き締まり、多くのファンが「バンドの最高傑作」と推すのも大いに納得のいくハイクオリティな内容に仕上がった、2nd『ANGEL FIRE』と甲乙付け難いメロディアス・ハード・ロックの名盤。

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