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Roses and Champagne / SILVER MOUNTAIN
火薬バカ一代 ★★★ (2009-11-28 12:38:00)
北欧メタルならではの様式美や疾走感が減少し、ポップさを増した作風が「売れ線に走った」と批判され、リリース当時の評判は余り芳しくなかったものの、90年代の再発を期に評価が逆転、今では「隠れた名盤」とまで言われるようになった'89年発表の3rdアルバム。
実際、音質といい、甘い声質で(ピッチも甘いが)ポップなメロディを歌い上げる新Voの歌唱力といい、前2作よりも確実にレベルUPを遂げており、勿論、ヨナス・ハンソンのクラシカルなGプレイも健在。
但し、今回は同じクラシックでもバロック調と言うよりはルネッサンス音楽的(?)な優美さが強く感じられ、取り分け、ロマンティックな美旋律に彩られたOPナンバー①や、思わずステップ踏みたくなる北欧民謡風の哀感漂う⑧⑨といった楽曲は、SILVER MOUNTAINの新たな魅力が顕在化した名曲。これらの楽曲に限らず、ノスタルジーを刺激される哀愁を猛烈に撒き散らすヨナスのGプレイは、ホント胸に沁みますなぁ。
その一方で、多少ポップになったとは言え、北欧のバンドならではの陰気さが完全に消し去れるわけもなく(褒め言葉)、ヨナスのいなたいVoが寒々しい曲調を一層強化するバラード③や、本編随一のネオ・クラシカル・チューン⑤等、1stや2ndの頃を想起させるタイプの楽曲もしっかりと収録。
全体的には前2作とは若干趣きを異にするものの、これはこれで素晴しい作品。気になる事と言えば若気の至り感が炸裂しまくりの、裏ジャケに載ったメンバーのルックスぐらいのもんです。(ソフトフォーカス効き過ぎ)
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