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Vicious Rumors / VICIOUS RUMORS
火薬バカ一代 ★★ (2007-04-04 21:57:00)
前作『DIGITAL DICTATOR』のような名盤を作り上げながらも、SHRAPNELレコードからドロップアウトして
2年以上もの沈黙を余儀なくされたVICIOUS RUMORSが、一発逆転、メジャー・レーベルのATLANTICと契約を交わし、
満を持して'90年に発表した3rdアルバム。
タイトルにバンド名を冠している事からも、彼らがこの作品に賭ける意気込みの大きさが伝わってくるが、
実際、勇壮且つパワフルなVR史上屈指の名曲①で幕を開ける本作は、音作りがグッと洗練され、
スッキリと垢抜けたメジャー感漂うメタル・チューンがギュウと詰まった、ハイクオリティな内容を誇る。
メジャー・レーベルへの移籍効果でサウンド・プロダクションが格段に向上。音に厚みと重量感が生まれた事により、
①③⑦といったスピード・チューンの突進力、②④⑥といったドスの効いたミッド・チューンのヘヴィネス、共に半端ではない。
中でも、本編随一の劇的なメロディが炸裂する④と、欧州へヴィ・メタリックなリフが疾走する⑦は、
前述の①に匹敵する、本作のハイライト・チューンの1つ。
ポップとさえ言えるサビメロが印象的な⑩のような楽曲が収録されている事からも分かる通り、
ヨーロッパ的な湿り気は幾らか減少してしまったが、その分、JUDAS PRIESTからの影響をきっちり消化して、
VICIOUS RUMORS独自のアメリカン・パワー・メタルを創出してみせたジェフ・ソープの曲作りの才は、
やはり並外れたモノがある。個人的に、彼らのアルバムでは本作が一番のお気に入り。
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