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JUDAS PRIEST
YOSI ★★ (2002-05-11 20:02:00)
少しチェックしてない間に、なんとも熱い意見が応酬されてますね。嬉しい限りです。さて今の議題は現代においてのPRIESTのあるべき姿とは何かというものだと思うのですが、それについて僕も少し。ただその前にPRIESTの歴史についての多くのメタルファンの誤解を解いておかねばなと思います。それは「PRIESTは常にメタルの王道を歩いてなんかいない。PRIESTがメタルであったことはほとんどない。PRIESTの音楽性に信念なんてものはない。PRIESTはリアルタイムで評価されたことなんてほとんどない」ということ。これが僕が後追いファンではあるものの、PRIESTの歴史をさかのぼり、当時の音楽シーンの事情と照らし合わせてきて気付いたことです。まずPRIESTは常に「時代の音」から外れた見当違いの作品をリリースするバンドであり、その代表例が「BRITISH STEEL」です。あれは今でこそ「全てのメタルの原点」だとか「NWOBHMを代表する名盤」だとか名作との誉れ高い作品ですが、当時、特に日本ではぼろくそにけなされ、それ以前のファンを全て失ったといって過言ではない当時の「世紀の大駄作」アルバムなのです。評価したのは当時のセー○クさんのみ。ただそれまで無名であった本国の英国において唯一のヒット作となったのは確かですが。そうついでにいうならPRIESTは英国においてはこの作品がいまだに最高傑作あるいは唯一評価されている作品といって過言ではないです。それ以降の「アメリカナイズされたPRIEST」は一部の熱狂的ファンを除いては無視されています。さらにいうならNWOBHMのなかでも彼らは異端でした。NWOBHMの多くのバンドが出していた音はPRIESTでいうなら「STAINED CLASS」あたりの音であり、MAIDENなんかも明らかにそのあたりのPRIESTをさらに過激にした音でもってHMを定義しました。しかし当のPRIESTはすでに全然違う、今で言うモダン・へヴィネス、ハードコア、ミクスチャー、スラッシュ等のはしりといっていい「BRITISH~」を出し、当然理解されず、それまでのファンを全滅させ、特に日本では忘れさられた存在になったのです。同じようなことが「PAINKILLER」でも起こっていたはずです。あの当時のPRIESTも現在と同じように、いや現在よりももっと無視され、否定された状態にあってそこで出した会心作「PAINKILLER」によって新しいファンを獲得し、オールドファンをも納得させた!!というのは実は誤りで、実際のところあそこで大きなPRIESTファンの世代交代が起こり、「デス・スラッシュ・ハードコアに魂を売り渡したPRIEST」に対して「こんなのはPRIESTじゃあない!!」と絶望したオールドファンがかなりいるはずなのです。例えばB!誌の広瀬さんはかなり否定的な意見をいってましたし、ミュージシャンでもMAIDENのメンバーなんかは「時代の音に流されるなんて見そこなった」というような発言があったはずです。つまり当時の古い音楽ファンにとっては余りに過激すぎるグチャグチャ・メタルに感じても不思議じゃないわけです。しかしご存知のように、当時における最も過激なメタルサウンドは多くの新しいファンも作り、そこから入ったファンが今ではオールドファンとして、現在のPRIESTの音を「過激すぎる。こんなのPRIESTじゃあない」と否定する立場になる。そして今「PAINKILLER」に触れた若いファンは、あの作品を「適度にへヴィ、適度にメロディアス、適度にポップなメタルの理想形」と捉えるわけです。つまりPRIESTはほとんどリアルタイムでは高い評価を受けないことのほうが多い。「復讐の叫び」や「背徳の掟」なんかはどうかと聞かれると、これは「PRIESTの音」と「時代が求める音」が偶然マッチした珍しい例であり、望んでもう一度出せるわけではない。それに例えばあの二枚の作品にも「当時理解されなかった曲」も多い。例えばこのページでも大人気な「THE SENTINEL」なんかがその代表例。あの曲って現在ではPRIEST屈指の曲でありあの作品から一曲選ぶならこれ!って曲ですが、当時のB!誌の人気投票には10位以内にも入ってないはずです。信じられないですよね。あの作品からは1と3が代表曲というのが長年の定説で、最近ようやく他の曲も評価されてきたというのが実際のところ。そろそろ文章が長くなってきたので、話の途中だけど切ろうと思います。続きは何かの機会に。最後には結局「現在のPRIEST」の評価も5年先、10年先にならないと分からない。現在が「迷走期」であるのか「躍進期」なのか「雌伏期」なのか「末期」なのかは未来にならないと分からない。僕は「新たな絶頂期の直前」「明け方の直前が最も暗い」状態だと考えてます。
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