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JUDAS PRIEST
YOSI ★★ (2002-09-19 01:59:00)
最近、かなりPRIESTの「好きな曲ランキング」が僕の中で変化してきました。元々僕はPRIESTの曲には順位をつけたくなくて、殆どの曲が満点近くなるんですが、昔はPRIESTのNo.1曲は「SINNER」だったんですが、最近は最新作からの「HELL IS HOME」になりました。新作の中でも地味な曲扱いで注目してる人は少ないでしょうが、この曲は久々に「真のPRIESTの原点」を感じさせる名曲中の名曲です。かつてロブ自身が「PRIESTの全てがここにある」と評した名曲「VICTEM OF CHANGES」を思わせますが、焼き直しでは全くない、僕の中では新たなPRIESTの代表曲です。言葉にすれば陳腐になるので説明しませんがが、歌詞も凄く深い意味があると思います。暗く絶望的なようでいて、実は凄く優しく力強い歌詞で、現代のPRIESTの立場を皮肉っぽく伝えてるともとれます。よくPRIESTに「昔の音に戻れ」という人は多いですが、その昔ってのはいつなのか?せいぜい「PAINKILLER」か「DEFENDERS OF THE FAITH」くらいじゃないのか。じゃあ2ndや3rdの頃に戻ってはなぜいけないのか?その前に初期のPRIESTの音を知ってるのか?とか僕は思うわけです。現代のPRIESTは、モダンなだけではなく、70年代初期から続くPRIESTの歴史の全てを総括する存在なのです。「PAINKILLER」を追い求める人には雑多で散漫で一貫性がないように感じるかもしれない最新作も、彼らの歴史全体を知り、それぞれの時代にはそれぞれ異なる魅力があることを理解する人には、「集大成的作品」だと気付くと思います。今のPRIESTは疾走HMだけではなく、プログレッシヴで複雑な曲も、ミッドテンポの妖しい曲も、勇壮なハードロックも、叙情的なバラードも、もちろん実験的な曲でもなんでもやれます。散漫なのではなく、無限の可能性があるのです。「PAINKILLER」は確かに完璧なスピードメタルアルバムですが、方向性を絞って、無駄を完璧に排除したがゆえに、あの方向性ではもう先に進めなくなった、進化の可能性のないアルバムだともいえます。そして現在のPRIESTは無駄があるがゆえに余裕があり、方向性を統一していないがゆえに小さくまとまっていないわけです。そしてこうやって方向性と可能性を広げることで、未来の名盤を生むことができるわけです。思い出してほしいのはPRIESTには名盤と誰もが絶賛する作品は3~4枚しかなく、それ以外は殆ど「問題作」、「実験作」、「発展途上作」とか呼ばれるものばかりだということ、そしてそれらでの実験あってこそ、誰もが認める名盤が生まれたこと、そしていつの実験期においてもPRIESTは「後世で評価される隠れた名曲」を生んできたことです。今はPRIESTにとっての雌伏期、圧倒的なポテンシャルを秘めながらも、大爆発せずくすぶってるように見えるかもしれませんが、方向性こそ定まっていなくても、楽曲的には過去最高峰のクオリティで、かつ最高のライブ・アクトでもあります。きっと近いうちに過去の名盤群を葬り去るほどの「新たなるHMの聖典」は生まれます。それまで僕はファンとして、苦しい時代をバンドとともに乗りきりたいです。日はまた昇る!必ず!
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