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Release From Agony / DESTRUCTION
火薬バカ一代 ★★★ (2006-11-03 18:57:00)
ジャーマン・スラッシュ・メタル史上、随一のインパクトを誇るジャケットのアートワークも凄まじい、'87年発表の3rdアルバム。
新たにサイドGを加えたツイン・ギター編成となり、サウンド的にも大きな変化を遂げたこの作品、音質の方も、前作が「触れれば切れる研ぎ澄まされた剃刀」の如きそれだったのに対して、今回は「ぶっとい鉈」といった趣き。切れ味はそれほどでもないけど、破壊力は抜群だ。
シャープな疾走感が後退し、テクニカルに動き回る2本のGを最大限に活かしたリフまたリフの壁と、構築美すら感じさせる複雑怪奇な曲展開で畳み掛けるスタイルは、大多数のファンから高評価を得る一方で、筋金入りのスラッシャーからは「駄作」との厳しい評価の声も。
だがしかし。穏やかながら不安感漂うインスト曲①に導かれて炸裂する名曲中の名曲②、美しくも邪悪極まるスロー・チューン④を筆頭に、緩急、美醜、正気と狂気、知性と獣性、バイオレンスとユーモアが目まぐるしく錯綜する楽曲群は、4人編成の彼らだからこそ生み出し得た、唯一無二のユニークさに満ちている。(本編エンディングに唐突に挿入される、グレン・ミラー・バンドの“IN THE MOOD”の陽気さがまた怖い)
個人的にはDESTRUCTION史上、いやさ、ジャーマン・メタル史上に残る名盤と信じて疑わない。

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