この曲を聴け!
Warriors of the World / MANOWAR
メタラァ ★★ (2005-08-13 14:34:00)
まさかこれほどの作品だとは思ってませんでした。
余りにも凄まじい、大傑作!!
前半、メタリックな曲はというと行進曲風のミドル・テンポしかなく、"その手の曲"を求める向きには「やっぱ1曲目に疾走曲がなきゃダメでしょ!」とかなんとか言われちゃうかも知れないが、そんなことをジョーイ閣下に申し出て御覧なさい。「そんな輩は死んでしまえばいい」と一蹴されることでしょう。(笑)
とにかく、この前半のドラマティックな展開が圧巻で、勇壮であったり、壮大であったり、包容力というか暖かみがあったり、とにかく琴線に響いてくる。
それを見事に体現してくれるのはエリック・アダムス卿の変幻自在のヴォーカルである。最上の暖かみを感じさせてくれる低音域は他のメタル・シンガーの追随を許さない!(ここ数年のマイケル・キスクの低音域も素晴らしいけど)伸びやかな歌唱も圧巻で、3曲目のオペラ『NESSUM DORMA』はその最たるもの。そして疾走曲での攻撃的な歌唱を聴け!!最強のシャウトを聴け!!
そのドラマティックなバラード主体の展開が7曲目まで続き、8曲目の『WARRIORS OF THE WORLD UNITED』で再び行進曲が我々の気分を高騰させ、そしてその後に連続疾走曲が始まるわけである。ここで我々メタラーという人種(笑)は自らの血液を沸騰させずにはいられなくなります!
この荒々しい攻撃性を見ろ!!こんなに"本気"の攻撃性はそこいらの『めたる・ばんど』には出せるモンじゃない!!拳を振り上げろ!!
…しかし、やっぱ前半の方が好きなんだなぁ(笑)とにかくこのアルバムの主役はエリック・アダムス卿であり、ANGRAの『TEMPLE OF SHADOWS』にエドゥ・ファラスキが必要不可欠だったのと同様に、このアルバムには彼のヴォーカルが必要だったわけです。(当たり前だ!!)
そして、どんな曲でもどこか"強さ"を感じさせてくれるのは、俺はスコット・コロンバスの最強ドラミングの力が大きいと思ってる。ズッシリと響くバスドラ、破壊力抜群で魂を鼓舞するスネア、複雑なことは演っていないのだがその分力強さの増すフィル、サーッと広がる感じが素晴らしいシンバルの音……、そう、プレイのみに止まらずプロダクションも完璧である。
閣下のベースも素晴らしい音色で、俺ん家の安いプレイヤーでもベースが何を弾いているのかわかるほど。(笑)その音色は曲によって表情を変え、時に包容力を、時に攻撃性を全面に押し出してくる。
カールのギターも、ソリッドでヘヴィだ。速弾き、タッピング、アルペジオなどテクニック的に申し分ないことは勿論、なかなかの泣きっぷりを披露してくれ、インスト・パートで感動させてくれることも忘れていない。
前半は確かにバラード・タイプと呼べる曲が多いが、その各々には個性があり表情が違っているので飽きるなんてことは全くない。あるはずもない。だって、彼等は最高だから。出来は最高だから!
彼等の本気がここにある。彼等の思いがここにある。彼等の信念がここにある。
それを感じろ!!それを信じろ!!この本気に応えるんだ!!俺達も彼等に思いをぶつけるんだ!!俺達の信念は彼等と共にある!!
最高のメタル・アルバム!!傑作!!
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