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Deicide / DEICIDE
火薬バカ一代 ★★ (2007-08-02 21:52:00)
グレン・ベントン(Vo.G)、スティーヴ・アシェイム(Ds)、エリック(G)とブライアン(G)のホフマン兄弟からなる
ラインナップで結成、「神殺し」を意味する言葉「DEICIDE」をバンド名に冠した、バイブル・ベルト地帯は
フロリダ出身のアンチ・クライスト・デス・メタル軍団、'90年発表の1stアルバム。
MORRI SOUNDスタジオにプロデューサー/スコット・バーンズという、フロリダ・デス・メタル界隈ではお馴染みの布陣で
レコーディングされた本作は、ドロドロと重く禍々しいリフ&リズムに、爽快感よりも病的な雰囲気の
勝る疾走感、メロディの「メ」の字も見当たらない咆哮型Voと、これまた典型的なブルータルで
ストロング・スタイルのデス・メタル・サウンドを聴く事が出来る。
現在のDEICIDEと比べると、サウンド・プロダクションの質は落ちるし、幾らかスラッシュ・メタルの要素が強く、
グレンのVoにも青さが残るものの(逆に聴き易いとも言える)、だがしかし、曲作りの上手さはこの頃から既に際立っている。
デス・メタルの場合、楽曲のパターンが似通ってしまい、アルバムの途中で聴き飽きてしまう事が少なくないのだが、
DEICIDEは⑤のようなハイスピード・チューンのみならず、勢いで誤魔化しのきかない⑥の如きミドル・チューンすら、
豊富なリフのアイデアと、緩急の巧みに組み込まれた曲展開、アグレッシブなだけでなく、
フックにも富むグレンのVoを活かして、しっかりと聴かせきるのだから畏れ入る。脳味噌を金属片で
攪拌されているかのような感覚に陥る、ホフマン兄弟のツインGも強烈極まりない。そして、その集大成とも言えるのが⑩。
邪悪でスピーディなだけなく、ある種の荘厳さすら漂わす、本編ラストを締めるに相応しい名曲だ。
デビュー作にして、いきなり全世界で15万枚を売り上げたというのも納得のクオリティを備えた1枚。

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