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Brave New World / STYX
クーカイ ★★ (2002-06-22 17:06:00)
'99年発表。'97年発表の復活作『RETURN TO PARADISE』(ライヴ盤)に続き発表された。多分デニスを含む編成では最後になるであろう作品(また仲直りしてデニスが復帰することもあるかもしれないが)。
スタジオ盤としては現時点で最新作。
個人的には、冒頭でいきなりAORな「I WILL BE YOUR WITNESS」に面食らった。
STYXの作品は1曲目に勢いのあるナンバーや、アルバム全体の雰囲気を象徴する少し派手目のナンバーを持ってくることが多かったのだが、少しおとなし過ぎる始まりである。
以下の楽曲も、かなり良い曲が並んでいるのだが、どうもしっくりこない。
クレジットを見て納得。トミーとデニスの共作が無いのだ。トミーとJYは共作しているが、デニスは常に単独クレジットである。
まあ、黄金期の作品においても3人(デニス・トミー・JY)がそれぞれ単独で曲を書くことが多かったのだが、今回は1曲ぐらい3人でつくってバンドの一体感を感じさせて欲しかった。
ちなみにアルバム収録曲14曲中、デニス5曲、トミー4曲、トミー/JY3曲、トミーとジャック=ブレイズの共作が2曲と、アルバム製作はトミーが主導権を握っていたことが伺える。
もともとSTYXはデニスが自分の意見を通してしまうことが多かったので、バンド内のパワーバランスが変化したと言ってよいだろう。と思っていたら、案の定デニスが脱退してしまう。
作品の内容は決して悪くない。質は高い。買って損はないアルバムである。
それでも、昔からのファンにしてみれば往年のSTYXが持っていた魅力の数々を、バラバラに解体して目の前に出されたような印象を受けた。
トミー主導の次作にちょこっと期待している今日この頃である(やっぱりデニスの不在は寂しいが)。

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