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JUDAS PRIEST

YOSI(実家) ★★ (2004-08-22 10:53:00)
ファンの思い入れ、意見というのはさまざまで、どれが正しいとか、どれが実際のバンドの姿に近いとか一概にはいえないです。リアルタイムでかつてのPRIESTを知る0フレットさんの意見はオールドファンとしての当然の、そして最もな意見だし、若いファンの多くも同じように考える妥当な意見でしょう。僕はそれをわかっていて、あえて少数派の意見を語っているわけです。それをいう人間がいてもいいのではないかと信じて。
作曲において「楽譜になる前の「イメージ」「コンセプト」「アイディア」」、が重要なのはいうまでもないことです。そしてそれはPRIESTの作曲クレジットにおいて十分に反映されていたのはいうまでもないと思います。一例として。「DEMOLITION」からの「SYBER FACE」という曲がありますが、この曲にはDrのスコットがクレジットされています。インタビューによると、これは「コンピュータ・ウイルスの脅威について書こう」とスコットの提案があり、そのアイディアだけでクレジットされたらしいのです。かつてのPRIESTでもそういうことがあったのではないでしょうか。逆にPRIESTでは、楽曲に多大な貢献をしていても、ソロプレイではクレジットされないのです。「BEYOND THE REALMS OF DEATH」でグレンが弾くソロは楽曲のハイライトのひとつですし、「PAINKILLER」の冒頭でスコットが叩くドラム・ソロは曲のインパクトに多大な貢献をしている。しかしこれはクレジットされていない。ギターリフのアイディアは? これは作曲の一環としてみなされているみたいですね。歌詞は? バンドによってはクレジットされませんが、PRIESTは作詞と作曲を区別しないで記載することからも、歌詞の重要度は高いようです。当然ロブの「楽曲コンセプトにおける貢献」はPRIESTに反映されているはずですね。
「最初から楽譜にオタマジャクシを書き始める」ことから曲作りが始まるとは確かに限らないし。むしろPRIESTにしろなんにしろ、「楽譜」を作っているのか怪しいとこです。ただそれでも僕は作曲とか全く出来ないし想像もつかないけど、楽器が全く出来ないで曲が作れるのかって、それは単独ではかなり難しいでしょう。歌メロだってギターやピアノとかを使って考えるほうがやりやすいのでは。あとはジャム形式でつくるのは可能でしょう。各楽器がコードとかテンポとかだけ決めて自由にプレイする中から、リフや歌メロの断片を発展させていけば、Voは楽器が出来なくても、理論がわからなくてもVoが曲作りに参加できます。ただその方式では自由度の高いロックンロールや、ジャズやブルース的なアドリブを主体としたフリーキーな音には向いているやり方でしょうが、PRIESTのような構築性の高い曲には不向きなんじゃないでしょうか。「プロデューサーが全ての楽器を弾ける必要はない」、しかし全ての楽器及び歌の方向性をコントロールしている監督がいるからこその「PRIESTのドラマティックな楽曲構築」では。「STAIND CLASS」の解説にこういうのがあります・「リハーサルで、グレンの指示で皆が何度も練習を繰り返す」「完璧さがないPRIESTはだめなんだ(by グレン)の言葉に皆が必死についていく・・・ 云々」の意味はそういうことではないでしょうか。ここには、「ジャム形式でフリーに曲を作っていき、リフやソロやフィルインやフレーズや歌は各人の自由に任せる」という感じは全くありません。「PRIESTかくあるべき」との理想を持つ統率者グレンの強烈なこだわりが見えるようです。おそらく「ジャムセッションによる曲作り」ってのがあったのは1stとか初期の頃でしょう。初期のPRIESTが目指していた「プログレッシブ・ブルース」というのは要はSABBATHやZEPやCREAMやジミ・ヘンの影響下にある音ですが、それなら各楽器のアドリブ度は高く、Voも自由度が高い。しかし初期の音はメロディアスではないですよね。歌にしても。PRIESTに歌メロにしてもギターメロディにしても、叙情的でドラマティックなメロディをもたらしたのはグレンの参加であり、それをメンバー全員が認めたからこそ、「助っ人セカンドギタリスト」として、家族同然のメンバーのなかに入ったよそ者グレンが「PRIESTはこうなければだめなんだ」と言い切るリーダーへとあっという間にのし上がった理由ではないでしょうか。
僕は、ロブをけなしたいのではないが、グレンのPRIESTにおける貢献が過小評価されすぎな点が残念で、「ロブこそ(のみ)がメタルゴッドだ」という意見に、別の意見を言いたいのです。確かにロブが脱退したPRIESTは「別のバンド」だったのかも知れない。しかしおそらくロブではなくグレンがいなくなったら、別のバンドどころがバンド自体が解散していたのではないでしょうか。
ロブの脱退はなぜ起こったのでしょう。どこにも誰も具体的な理由を述べていません。しかし音楽性の相違だとしても、メンバーの対立にしても、なぜロブが抜ける必要があったのか(グレンや他のメンバーではなく)。メンバーの結束では、K.Kとイアンは幼馴染に親友、ロブとイアンは親戚で、彼らは家族のようなものでしょう。ロブがやりたい音がグレンの意向と違っても、普通に考えれば、グレンを脱退させて、PRIESTを自分のやりたい方向性に持っていけば良い。それをソロにこだわって自分から脱退したのはなぜか?ロブ自身がPRIESTはグレンがいてこそであり、彼が抜けるということはありえないという認識があるから、自分が抜けたのでは?そしてグレンがバンドを守ってくれるからこそ、いつかは戻れるという認識もあったのでは。逆にそこには、対立の中に、「盟友としての信頼」が見え隠れして感慨深いのです。