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Prisoners in Paradise / EUROPE
殺戮の聖典 ★★ (2004-12-11 00:51:00)
本作において初期のハードな路線に戻ると前評判の高かった'91年発表の5th。
プロデューサーはRATTやWINGERを手がけたボー・ヒル。
ギターの音が前面に戻ってはいるものの、いかんせんアメリカンな香りが強い。
これまでの作品を淡い水墨画に例えるとすれば、このアルバムは差し詰め油絵といった感じだ。
キャッチーで軽快な「HALFWAY TO HEAVEN」、ジョーイの甘い歌声が魅力の「I'LL CRY FOR YOU」、典型的なハード・ロック・ソングの「SEVENTH SIGN」などはなかなかの好曲だし、ポップながらも哀愁漂うドラマティックな「PRISONERS IN PARADISE」やオリエンタルなメロディの「GIRL FROM LEBANON」は名曲だと思うが、これまでのEUROPEとは毛色が違うとの感は否めない。
手がけたバンドは皆同じ音になってしまうとの悪名の高いボー・ヒルの功罪も大きい。
イントロの流麗なギターが印象的な「BREAK FREE」やファンキーに刻まれるリフがいかした「YESTERDAY'S NEWS」のボーナス・トラック2曲が最もEUROPEらしいサウンドを奏でているのが皮肉だ。

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