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The Complete Works / TOUCH
火薬バカ一代 ★★ (2008-03-03 21:42:00)
SANTERSのBOXセット発売に匹敵する、AVEX RECORDSの為した快挙と言うべき、陽の目を見る事なくお蔵入りしてしまった
TOUCHの2ndアルバムの発掘。のみならず、それを名作と名高い'81年発表の1stとカップリングにして、その上、大量の
ボーナス・トラックまで追加収録・・・と、まさに『THE COMPLETE WORKS』のタイトルに恥じぬ、至れり尽くせりな内容を誇る再発盤。
甘く切なく、そして劇的な泣きメロを満載した、アメリカン・プログレ・ハードの名作1st『TOUCH』の素晴しさについては、
別項にて語らせて貰ったので省くとして、ここでは幻の2ndアルバムについての感想をば。
トッド・ラングレンをプロデューサーに迎え制作された本作は、如何にも80年代然としたモダンな
サウンド・プロダクションといい、疾走感やドラマティックな曲展開といったハード・ロッキンなエッジが薄れ、
ストレートにまとめられた楽曲といい、全体的に、ややポップ路線への目配せが感じられる作風に仕上がっている。
“BLACK STAR"型の名曲が姿を消してしまった点が、ちと物足りないとは言え、相変わらず華麗なマイク・マンゴールドの
Keyプレイや、キャッチーで感傷的な泣きメロの威力に鈍りは全くないので、メロディ愛好派のリスナーが本作を聴いて
ガッカリするという事はないように思う。特に、美しくも切ないピアノ・サウンドが胸に沁みる③、サックスの音色が
お洒落で都会的な哀愁を演出する⑤、柔和で優しげなバラード⑨辺りは、前作に収録されていてもおかしくない名/佳曲だ。
クオリティの問題ではなく、レコード会社とのトラブルが原因でリリースされず終いだった事が、非常に惜しまれる1枚。

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