この曲を聴け! 

War of Words / FIGHT
H・W ★★ (2002-09-02 11:03:00)
9年前(え?もうそんなに経つのか!)、物凄い緊張感と不安が交錯する中、このアルバムを最初に聴いた瞬間、「だめだこりゃ」と下唇を突き出したものだ。
当時アメリカを席巻していたグランジ・ヘヴィネスの波というやつは、こちら日本においてはピンとこない現象だった。HM界においても、メタリカの黒いのや、パンテラの俗悪がそれほど強い影響力をもっているとは思えなかったので、正統派メタルについて、「こんなのダサくて聴いてられないぜ、ベイビー」とかはちょこっとも思わなかったのである。
だから、こういう重い音像の音楽はめっちゃくちゃ鼻についたし、ぜんぶおんなじに聴こえた。ときにJUDAS PRIEST風メロディーを見つけてハッとしたりはしたが、そんなちょっとした事で喜ばなければならないほど、作品全体のトーンは沈んでいた。
だから、今、このアルバムが、我々の耳にいかに響くか、すこし興味があって、このあいだ久しぶりにトレイに載せてみた。
・・・ぼくらはこの程度のヘヴィーさが、あれほど鼻についていたのか。
これは紛れもないHMである。
何曲か、「風格の荘厳メロディー」も導入されていて、そのあたり、単にヘヴィー一辺倒とは違う、いい個性になっている。
今聴くと、けっして「やりすぎ」とは思えなかったわけである。まあ、つまらない曲も何曲か含まれているし、中だるみが避けられないのは事実で、僕としてはFIGHT消滅の原因は、実はこの辺にあったのではないかとも思うが、彼らの音楽性が、リアルタイムで当時感じたほどにはつらくなかった、とは言える。
もう一度聴きなおしてもいいのではなかろうか。

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