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Three of a Perfect Pair / KING CRIMSON
やまねこ ★★ (2002-09-02 21:35:00)
まるで仲間外れのように低評な判断で下されている'80年代のラスト。
このバンドにはHR/HM路線は望めない。しかし、ハード路線に回帰した
'90年代KCを語る上でこの時期のバンドの意義を再評価する向きでも
あながち的外れとは言えないと思う。
本作には,'80年代KCで発展させてきたガムラン、ケチャ、アフリカン風味
で施されたミニマリズム、インダストリー・ノイズといった音の集大成的内容がある。
全体的にはギターシンセのフレーズが目立つ音の質感になっている。
'80年代のKCは、一作ごとにやはり進化を遂げたことが明らかである。
最もDISCIPLINEの延長と言われればそれまでだが。。。
後半のインダストリ-・ノイズ風のインスト曲には'80年代KCの標榜した
方法論の破綻した姿が見え隠れする。そしてLarks' IIIにて'80年代KCの幕閉じをする。
結果論であるが、'90年代のハードネスの回帰へと時代は流れていくのである。
'90年代のKCが'70年代と同じようにハードネスな展開を見せても
異なる音楽に聴こえるのは、KCの経験的な部分に依るところが作用していると言えよう。
だからこそ、'80年代のKCは再評価されるのである。本作も然り。
もちろんバンドの足跡を考えないでも十分に楽しませてくれる作品と思うが。。。

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