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Requiem / BATHORY
火薬バカ一代 ★★ (2007-08-30 22:00:00)
壮大でドラマチックなヴァイキング・メタル路線が行き着く所まで行ってしまった感のあった
6th『TWILIGHT OF THE GODS』(BURRN!!のレビューで1点を献上され「自縛霊も逃げ出す密教のBGM」と評された)から一転、
ソリッドでスピーディな高速スラッシュ・チューンが、息つく暇なく次々に繰り出されるという、
スロウで重厚な『TWILIGHT~』とは対照的な作風に仕上がった、'94年発表の7thアルバム。
例えるなら、良好なサウンド・プロダクションで1st『BATHORY』を作り直してみた感じ?
ここ数作続いたメランコリックな大作主義は影を潜め、コンパクト且つストレートにまとめられた楽曲には、
メロディのメの字も見当たらない。Gソロは初期の頃を彷彿とさせる突き刺さるようなアグレッションを発散させ、
前作ではアルバム全編をクリーンVoで歌っていたクォーソンも、凶悪な濁声スタイルへと回帰を果たしている。
それにしても、スラッシュ・メタル冬の時代真っ只中の'94年に、この前のめりな突っ走りっぷりは爽快極まりない。
(デスでもブラックでもなく、スラッシュ・メタルならではの疾走感が堪能できるってのがポイント)
特に、①②⑤⑥といった楽曲の半端ないカッコ良さは、名曲“BLOOD FIRE DEATH"や、名盤『HAMMERHEART』の
方向性を愛するメロディ重視派(俺です)をも黙らせるクオリティ。
初期の頃を思い起こさせる内容の割りに、“WAR"“SADIST"級のキメ曲の不在が惜しまれるものの、
収録曲の平均クオリティの高さと、疾走感の痛快さゆえ、大した傷にはなっていない。

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