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Elegy / AMORPHIS
mokusatu ★★ (2006-08-20 02:37:00)
フィンランドのカルト教団と思っていたAMORPHISによる、私のメジャー・ヘヴィ・メタル・シーンへの興味を根絶させた会心の一撃。これすらデス・メタルというなら、うるさい音楽は全てデス・メタルです。96年発表の3rdアルバム。KeyとDr.が変わり、 Pasi Koskinen(Vo.)が加わってます。
「暗黒音楽に加味されていた普遍性」という対比率は恐るべき速さで大逆転しており、ハード・ロックやプログレッシブ・ロックを基盤にしてデス・メタル要素取り入れ、分厚い北欧叙情で包み込んだといって差し支えない。出自が出自だしデス声もあるからか、比較対象が全く思い付かないが、後期OPETH、後期EMPERORと並べても問題ないと思われるのでプログレッシブ・(フォーク)・メタルでいいのか(何が似てるかと言われれば獲得した普遍性=高度な音楽性という点です)。だがその中でも最も聴き易いと思われる。GREEN CARNATIONも近くに置きたい。
ドゥーム/デス色のない音質と音像、前作以上に乱舞する叙情的民謡メロディ、ハモンドからピアノまで駆使して時に分厚く、時に儚く装飾するキーボード、デス声にがなり声に穏やかなメロディもあるボーカルライン、アコギメインやノーマルバラードやディスコ・ビートまで幅広く繰り広げられる多彩なアレンジとドラマティックな楽曲群、それらが一つにまとまって整合感が全く損なわれないという、化け物みたいに進化したメロディック・デスの美品。
カルト臭というか、生理的嫌悪感はデス声以外ありません。素人にも玄人にも薦められる名盤と言えます。
デス・メタル界がプログレッシブ/へヴィ・メタル界に対して突きつけた挑戦状だと当時思ったが、誰も受け取ってはなかった。やはりIN FLAMESくらいやらないと影響はないのね・・・。

ただ、これだけ音楽的にメジャー度を上げてより多くの人に聴かせられる作品を作っておきながら、内面的には何も変わってないらしく、歌詩はまだフィンランド叙事詩で相変わらず暗い。ここら辺がまた面白いところだと思います。
いきなり1曲目のタイトルが「生まれてこなきゃ良かった(BETTER UNBORN)」
「1曲目がつまらないから飛ばす」という意見を当時雑誌で見ましたが、そんな勿体ない事をしてはいけない!!ちゃんと歌詞を読もう。

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