この曲を聴け!
Vibe / VOW WOW
ATOSS ★★ (2003-09-26 12:14:00)
ハードロックのお手本だったVOWWOW。
日本バンドの中でも日本臭さの欠片もなかったVOWWOW。
そして世界で活躍した我等がVOWWOW。
VIBeは捨て盤と言われることも多いのだけれど、
今改めて聴いてみると一曲一曲の作りこみ方はなかなか凄い。
正直言ってここまでのクオリティの曲を作れたロックバンドは
日本人では後にも先にも彼らのみ。
彼らの持つ才能を相変わらずフルで活用しているのがわかる…割には、
それが聴きこまないとなかなか伝わってこない。
人見元基の歌唱も厚見・山本の作曲、演奏も、
VOWWOW史上最高峰のレベルだが、その割には、
わかり易さがない。伝わりにくい。
新美は手数を明らかに抑えられている。
これはプロデューサーの意向なのかもしれないが、
演奏がカッチリしすぎているのだ。
聴く側の耳のレベルにも高い次元を要求しているのかもしれないが、
そこまで敷居が高くてどうするのだろうという感は否めない。
作風を問われたら答えに詰るであろうこの散漫さ、
英国らしくも米国らしくもなく、どこかにありがちなハードロックを
実力派がさらりとこなしてしまう姿には、
新鮮味や、何かまず伝えたいもの、というものが感じられない。
いい意味での不細工さや不器用さがなく、
悦に入るには早すぎた、これほどまでのスマートさが、
感動の無さに繋がってしまったのではないか。
結果として、求めているものが、
プレイヤー・リスナーともに見えなかったこと、
アルバムとしての統一感に欠けたことが悪評の全てではないかと。
新アルバムではなく、未収録ベストなどと言い切ってしまったほうが
かえって潔かったのではないか。評価も180度違ったはず。
しかしアルバム単位では散漫に感じても、曲単位では、
間違いなくVOWWOW中最高のクオリティを楽しめるはずだ。
だからこそ、今、聴き直してみる価値がある。
(2008/11/08追記)
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