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Vibe / VOW WOW

こねこ王子 ★★ (2008-01-03 23:34:00)
「VIBe」(1988年11月6日発表)
結論から先に言えばこの作品は「駄作」だ。
「SPELLBOUND」「I FEEL THE POWER」「THE BOY」「NEVER LET YOU GO」「KEEP ON MOVING」は、人見元基の歌唱を以てしても如何ともし難い捨て曲以外の何ものでもない。何とか及第点レベルが「TALKIN' BOUT YOU」「TURN ON THE NIGHT」「NIGHT BY NIGHT」辺り。「BIG V」の称号に相応しい楽曲は「FADE AWAY」「ROCK ME NOW」「YOU'RE THE ONE FOR ME」くらいだろう。(「HELTER SKELTER」はカバー曲なので評価の対象外とする。私はそもそもこの曲自体を収録する必要はなかったと思うが、イギリス・サイドの強い要望だったのだろう。イギリス、欧州では「HELTER SKELTER」とアルバム・タイトル(と収録曲、ジャケット)を変更してリリースされているし、「HELTER SKELTER」はシングル・カットまでされている。因みに、日本でもリリースされた)
このアルバムの最大の失敗の理由はVOW WOW(山本恭司?)の自分たちへの「過信」だと思う。「BURRN!JAPAN」(1988年11月臨時増刊)のインタビューで山本は「プロデューサーは音をちゃんと録ってくれさえすればいい」と発言している。おそらく、レコーディングは山本恭司主導(もしくはメンバーの合議制)で行われたのであろう。客観的、かつ、第三者的に、楽曲の質、アレンジ、プロダクションを判断する人間の不在の結果がこの作品なのだと思う。同じインタビュー内で山本と厚見玲衣は「THE BOY」をVOW WOW版「STILL」(BOW WOW初期の名曲。1977年7月発表の「SIGNAL FIRE」に収録)と言っているが、「あなたたち本気で言ってるの?」と訊きたくなった。楽曲のクオリティに天と地ほどの差があるからだ。(個人的には人見が唄う「STILL」は聴いてみたかったが・・・)
最新のリマスター・ベスト「ROCK ME FOREVER」(2007年発表)に、本作品からは「ROCK ME NOW」(元々は「BEAT OF METAL MOTION」に収録されていた「ROCK ME」のリメイク)「HELTER SKELTER」「YOU'RE THE ONE FOR ME」(「LINE IN UK」と同音源)の三曲しか選ばれていないことからも、私が記述した内容があながち的外れでないことは理解して貰えると思う。(因みに「VOW WOW Ⅲ」は全曲を収録。「SHOCK WAVES」のみ未発表のLIVE音源)
とにかく語るべき内容の作品であることは確かだ。(あくまで「VOW WOWとして」なので、その点は誤解無きよう・・・)