この曲を聴け! 

The Warning / QUEENSRYCHE
なおき ★★ (2003-04-27 22:20:00)
このバンドは、ほんとにスタート地点が高い。ジェフ・テイトが飛び抜けたボーカルなのは
周知の通りだが、それを支える演奏能力も実は凄い。そして、作曲能力もある。これが初の
フルアルバムとはね。いきなりそこいらのバンドの最高傑作の水準がある。
従来のHMではあまり使われなかったSEを少しだけどさりげなく、そしてとても自然に使っている。
思わず、HMの歴史を考えさせられたよ。British SteelでJudas PriestがHMを確立させたとして、
他のアーティストにバトンを渡すわけだが、それを完成させたのが、このアルバムではないか。
彼ら自身にはまだ成長の余力があり、この後、Rage for order、そしてOperation Mindcrime
を完成させる。よく、ジェフ・テイトはRob Halfordの正統後継者?と言われたもんだが、
このアルバム、そして次作を聴くと、正常進化させたのだと今になって分かる。
ハイライトは5曲目。NM 156。このギターソロはよい。シンプルな繰り返しが快感を生む、
とはテクノなどダンス音楽の先駆者がもたらした偉大な発見だが、この曲でもそれがみられる。
ただし、HMなので、快感というよりは不安感をかきたて、そしてかっこいいとすら感じられる
異様な快楽をもたらす(実はよく聴くと単純な繰り返しにはなっていない)。
他のVisual、イメージ重視のバンドが装備がごてごてついたマシンガンだとするならば、
このアルバムは日本刀。暗闇でぬーっと光り、人を斬る機能しかないながら、その姿だけで見る
者にその威力を見せつける。
実際に聴く者を切り倒すのはOperation Mindcrimeである。そこでQueensrycheのHMもいったん完結する。そこで使った凶器の姿を最初に完全な形で見ることができるのはまさにこのアルバム
である。
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