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The Perfect Element, Part I / PAIN OF SALVATION
うにぶ ★★ (2005-11-03 17:45:00)
初めに聴いた時は、前2作に比べるとあまり好きになれなかったアルバムでした。今では『BE』までのアルバムの中で最も好きな作品。メロディの美しさが半端じゃないです。
最初、どうしても「IDIOGLOSSIA」冒頭がドリーム・シアターっぽく聴こえて、それが嫌でした。せっかく独自の音を出しているバンドなのに、この曲でフォロワーっぽく見なされてしまうかもしれないのがもったいなくて。でもコンセプト的にこの場所にこの曲調が必要、というのは納得できたし、繰り返し聴いていたら気にならなくなりました。
このアルバムもコンセプトは重く、暴力的虐待を受けて育ち、自らも暴力の中で生きるようになった青年と、性的虐待を受けて育った女性の物語。相変わらず複雑かつ難解で、内容をつかむのが大変です。
虐待などを題材に選ぶと、誰かを断罪するような方向性になりがちですが、そう単純にいかないところが余計に考えさせます。
確かパート1の本作では2人が出合い結ばれるけれど、青年は今まで犯した罪の重さから自己崩壊し、つづく、みたいな感じ。ここまではひたすら暗いですが、パート2には救いが待っていてほしいです。彼らのバンド名からして、苦痛を伴いながらも必ず救済があるはず・・・。
音楽的な幅の広さ、個性的で叙情的なメロディも素晴らしいですが、演奏も歌唱もひっくるめて全パートの感情表現の豊かさが何より魅力的。このバンドは繊細な表現が本当に上手い。哀しみ、苦痛、絶望、怒り、優しさ、温もり、寂しさ・・・ここまで感情が伝わる音楽も稀有ですね。
プログレ・メタルでは一番好き。でもプログレ・メタルなどという小さな枠に収まらない、本当の名盤

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