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The Perfect Element, Part I / PAIN OF SALVATION
火薬バカ一代 ★★ (2009-04-12 12:38:00)
緻密に組み立てられたコンセプトと、静/動、剛/柔、弛緩と緊張、破壊と構築等、相反する要素を兼ね備えた独創的な楽曲を持って、
近年登場したプログレHMバンドの中では、DREAM THEATERやSHADOW GALLERYに匹敵するインパクトを放っていた
スウェーデンの鬼才、ダニエル・ギルデンロウ(Vo、G)率いるPAIN OF SALVATIONが'00年に発表した3rdアルバム。
ここ数作では、やや敷居の高い難解な方向へと音楽性をシフトさせ、小難しく語られがちな彼らだが、
このバンド最大の魅力は何と言っても、暗く、悲壮感に満ち溢れた泣きのメロディ。特にこの3rdアルバムは、
前2作で確立したプログレHMサウンドを更に発展させつつ、全編に溢れる泣きメロの悲壮感にも一層の磨きがかけられており、
その涙腺破壊力は、普段、知的な音楽とは無縁のミュージックライフを送るボンクラ・メタラー(俺だ)をも
一撃でノックアウトする強力さ。取り分け、ダニエルのVoとG、流麗なピアノの調べ、そして壮麗なボーカル・ハーモニーが
劇的且つエモーショナルに泣いて泣いて泣きまくる痛切な名曲⑥は、哀メロファンなら涙の海で溺死しかねない程の悶絶級の仕上がり。
破壊的に刻まれるヘヴィ・リフと、高度な技術の応酬が生み出すスリルと緊迫感、そして繊細な叙情メロディが
全編を覆い尽くして波状攻撃を仕掛けてくる作風は、まさに「POSの最高傑作」と呼ぶに相応しいクオリティで、
決して難解でもアバンギャルドでもない(キャッチーでもないが)。このバンドの作品に触れるなら、先ず本作からどうぞ。
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