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Savage Amusement / SCORPIONS
こうじ ★★ (2005-04-11 12:30:00)
80年代を否定する思想は、いまだ根強い。
アンドリューWK以降のリバイバル的な動きも、さほど盛り上がらなかった。
確かにあの時代は、ロックに限らずフワフワした音楽が多かった。
デフレパードやポイズンには、デュランデュランやデッドオアアライブ(この人、好きだけど)
と同じ臭いが漂う。時代を反映して音楽も享楽的で商業的だった、80年代。
それゆえ、ロックへの幻想を捨て切れない向きにはぽっかりと空白があり、
70年代までとニルバーナ以降こそが本物とする思想は、
90年代的なロックがとっくに飽和した今も、まだ根強い。
メタル界は特に後半は御大AC/DCも失速気味だしプリーストもなんだか締まらないし、
そして何より事あるごとに批判の矢面に晒されるLAメタルが全盛(俺も好きなバンド少ない)
だった事が、とにかく象徴的だ。
さてそんなこんなで何かとお騒がせな80年代メタルの、
アイコン的存在スコーピオンズのそのさらに最も80年代的なアルバムの一つ
サヴェッヂ・アミューズメント。
これはそんなにロックしてないだろうか?そんなにフワフワしてるだろうか?
ヘアメタルと一緒だろうか?
いやいやいや。まったくもって、そんな事は無い。
聴いてみぃ、このセクシーなグルーヴ、このクールなリフ。冴え渡る職人芸。
何より極上の曲、音楽として魅力的なこと。
確かに凄くポップでゴージャスでボーカル中心だけど、芯はとてもしっかりしているじゃあないか。
70年代のあの神秘的で絶望的なサウンドも素晴らしいが、この頃だっていい音出してた。
80年代メタルにも、しっかりとロックは息づいていたのである。
思うに、どの時代にも神と糞は同居してる。
音楽は時代やジャンル何か関係なく、個々の力量でこそ出来が決まる。
だから特定の雑誌や思想なんぞに左右されないで、幅広く聴いた方が楽しいしきっと耳も肥える。
ネットにも情報は溢れてるし、自分の感性のままにチョイスした方が、いい作品に出会えるんじゃないのかな。

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