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De Mysteriis Dom Sathanas / MAYHEM
たまねぎ ★★ (2008-03-30 04:29:00)
誰が何と言おうとブラックメタルの名盤であり、最も重要な作品の一つでしょう。
歴史的背景においてこのアルバムがどのような存在なのか、という意味で。
(勿論、単純に楽曲を見ても素晴らしいものばかりです。特にEuronymousの弾く
リフは何故か凄くキャッチーで、そのセンスの良さが伺えます)
ブラックメタル黎明期に録られたこのアルバムは、今現在には無い、当時のシーン
に確かにあった「真の狂気」の片鱗を克明に映し出したもので、その音像は純粋に
アンダーグラウンドであり、エクストリームであり、ブラックメタルなのです。
その当時の空気の中でしか生み出すことができなかった作品。故に名盤なのだと思います。
確かに音質であったり、メロディであったり、表面上だけ見れば「一般的」なカッコよさ、
完成度などは皆無に等しいのでしょうが、そもそもそれは見当違いです。
だってこれは「ブラックメタル」だから。上にも書きましたが、純粋にブラック以外の何者
でもないもので、全ての要素が在るべくして在ると言えるのです。それに対するメンバーの
姿勢、精神も含めて。だから、「ブラックメタル」として極まっている。
これ以上でも以下でもない。一切の隙が無い。
また、表面上の邪悪さは№1という意見もあるみたいですが、全くの逆だと思います。
現在では、このアルバム以上に音質が極悪、劣悪なものだっていくらでもあるし、
かなりの邪悪さを表現しているバンドも多く存在します。
要するに、このアルバムは正直まだ全然聴きやすいです。が、内包している狂気、邪悪さは
本物です。単なる演出やこけおどしではないはずです。
このアルバムが基本、名盤と言われている本当の意義はそこにあると思います。
シーンも多様化した現在から振り返れば、この作品はまさに狂気の時代でしか創り得なかった、
正真正銘のブラックメタルなのです。いつから言われるようになったのか分かりませんが、
真性ブラックメタルとはこの作品を指すものでしょう。
MAYHEMの凄さを感じ取って下さい。

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