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Pull / WINGER
殺戮の聖典 ★★ (2006-09-04 23:08:00)
前作に伴うツアー後、ポール・テイラー(Key)が脱退し3人編成となったWINGERが'93年に発表した3rd。
プロデューサーはかのロバート・ジョン“マット"ランジのアシスタントとしてDEF LEPPARDのヒット作品に関わったマイク・シップリー。
キーボード奏者が抜けたことにより、これまでのきらびやかなサウンドが影を潜めて生の演奏が体感できるものの、グランジ・ブームの波に影響されたことは明らか。
1曲目の「BLIND REVOLUTION MAD」からしてダークで気だるい雰囲気の曲で、「これって本当にあのWINGER?」と耳を疑ってしまった。
ヘヴィでクランチの利いたギター・リフにこれまでになくヒステリックなキップの歌がのった「JUNKYARD DOG(TEARSON STONE)」や「IN FOR THE KILL」、「NO MAN'S LAND」といった曲はまるでヘヴィ・メタルのよう。
明るいサビのメロディにWINGERらしさが残る「DOWN INCOGNITO」、コーラスがDEF LEPPARDそのものの「SPELL I'M UNDER」といった好曲もあり、バンドの新境地を切り開いた作品と言えなくもないが、これまでの「テクニックに裏打ちされたポップさ」に魅力を感じた身としてはちょっと寂しい内容だ。
結果的にラスト・アルバムとなってしまったが、オリジナル・メンバーによる再結成を強く望む!
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