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Career of Evil / BLUE OYSTER CULT
クーカイ ★★ (2002-12-20 22:41:00)
'90年発表。ベストアルバム。
実のところ、本ベストアルバムはBOCの全カタログ中で最もお薦めしてはいけない代物である可能性が高い。
以下にその理由を列記する。
①最も有名な代表曲を収録していない。
②ライヴヴァージョンとオリジナルヴァージョンがごちゃまぜ。
さて、①についてだが、皆さんはBOCの代表曲を3曲挙げよ言われたら、頭にどの曲名が浮かぶだろうか。「ASTRONOMY」と「BURNING FOR YOU」はかなり高い確率で挙がってくることだろうと思うが、実はこの2曲が収録されていない。オリジナルアルバムでは対の存在となっている「FLAMING TELEPATHS」が収録されているのに、何故か「ASTRONOMY」はカットされているのである。もうこの事実だけで、ベストアルバムとしては致命的であろう。いや、そもそもベストアルバムとは言えないのではないか。
そして②についてだが、13曲収録のうち、8曲がライヴアルバムから引っ張られてきている。それなら全部ライヴヴァージョンにしてライヴベストにしたほうが良かったのではないか。BOCはライヴバンドだ。その方が魅力が伝わったかもしれない。
要するに非常に中途半端な代物なのだ。代表曲は収録されていない、作品としての統一感も無い。PINK FLOYDのベストアルバムと較べると雲泥の差である。
加えてせっかくの深民さんのライナーが誤字だらけ。校正したのか。
つまり本作が示しているのは、いかにレコード会社がBOCに思い入れが無いかということである。いまだにまともに日本盤が出ないのも、いたしかたないことなのだ。そして、かような可哀相なベスト(ではない)アルバムだからこそ、私は本作が愛しくてしかたがないのである。

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