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Agents of Fortune / BLUE OYSTER CULT
火薬バカ一代 ★★ (2008-04-20 21:39:00)
ビルボードのシングル・チャート12位にランクインする等、BLUE OYSTER CULT史上最大のヒットとなった
バンドの代表曲“(DON'T FEAR)THE REAPER"を収録した、'76年発表の4thアルバム。(邦題は『タロットの呪い』)
前年リリースのライブ盤『地獄の咆哮』で、初期の「文系ヘヴィ・ロック路線」に区切りを付け、もっと大衆性を意識した、
メロディ重視の方向へと足を踏み入れ始めた本作。その最大の成果が、これまでになかったポップでロマンティックな曲調と、
その中から滲み出す「歪み」や「恐怖」までをキッチリと表現した、新たな魅力と従来の「らしさ」を併せ持った名曲③。
ただ問題なのは、この名曲のインパクトが余りにも強烈過ぎるため、他の収録曲の存在が完全に霞んでしまっている点で、
そのせいか、アルバム単位での存在感は(俺の中では)イマイチ希薄。パティ・スミスが歌詞を提供し、バックVoとしても
参加している⑤や、歌謡曲チックな哀愁を漂わせた⑥、ヘヴィ・メタリックなアグレッションを誇る⑦、淡い叙情性と美しいメロディ、
そして一抹の不気味さに彩られた⑧など、名曲と呼んで差し支えないレベルの楽曲は、ちゃんと収録されているのだけど・・・。
ビルボード誌のアルバム・チャートに、連続35週ランクイン(最高位は32位)と、BOCのアルバムの中では、
最も高いセールスを記録した作品なれど、音楽的には過渡期的な印象を残す1枚。まぁ、そこが魅力なわけだが。

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