この曲を聴け! 

Cause of Death / OBITUARY
火薬バカ一代 ★★ (2008-02-20 23:05:00)
「OBITUARYの新作『XECUTIONER'S RETURN』に、ラルフ・サントーラ(G)参加!」のニュースを聞いた時は、喜び勇んで輸入盤ショップに走ったものだが、実際のところ、あの作品におけるラルフのGプレイは、フラッシーではあるものの、こっちが(勝手に)期待していたような濃厚なメロディは控えめで、バンドに遠慮したのか、それともOBITUARYの強烈な個性に飲み込まれたのか。兎も角、DIECIDEの『THE STENCH OF REDEMPTION』程の化学反応は起きなかった・・・というのが正直な印象。(とは言え『XECUTIONER'S~』自体はとても良く出来たアルバムです)
そんなわけで、自分の中のOBITUARYの最高傑作は、未だにこの'90年リリースの2nd『CURSE OF DEATH』のまま。「渡り鳥」の異名を取る名手ジェイムズ・マーフィが、唯一参加したアルバムとしても知られている本作だが、その効果の程は、①のドラマティックなイントロ部分から早くも炸裂。彼の正統派HMテイストを濃厚に漂わせた流麗なGは全編を通して暴れ回り、ドブ川でうがいしてるかの如きジョン・ターディのデス声Vo、重く、ズルズルと引き摺るような粘着質リフ、ダイナミックにウネリまくるリズムといった、従来のOBITUARYスタイルと見事なまでの美醜の対比を描き出す。
特に、バイオレントな曲調と、疾走するドラマティックなGソロの対比が光る⑤や、本編随一のドラマ性の高さを誇るラスト・ナンバー⑨といった楽曲は一聴の価値ありかと。
数あるOBITUARYのアルバムの中でも、特異な存在感を放つ1枚。

→同意