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Third / SOFT MACHINE
Straysheep ★★ (2004-12-19 15:18:00)
1970年発表、SOFT MACHINEのサードアルバム。
ジャズロックの名盤であるとかカンタベリーロックの最高峰だとか何かと評価の高いアルバムのようだけれど、ここで聴かれる演奏は、ただもうJAZZをプレイしたくてたまらなかったイギリスのスノッブな音楽オタクが、一生懸命格好つけて「どーだ凄いだろ」とギターをぶら下げている連中に、それこそスカした視線でガン飛ばしている姿のように私の目には映る。
当時のイギリスでは、JAZZはCOOLで格好イイ音楽の代名詞だったのだと思う。
ROCK'N ROLLのある種の軽薄性に少し距離を置きたいスカした音楽スノッブにとって、JAZZは格好のコピー対象だったのだろう。このアルバムにはスノビスティックなおしゃれ感覚が充溢している。固定観念の破壊による新たな音楽地平の獲得だとか、新たなオーケストレーションの構築とかいった高尚な精神性などは微塵も感じられない。ただ、やりたかっただけなのだと思う。
とはいえジャジーなおしゃれ系サウンドとして聴けば、不器用なイギリス人特有のグルーヴ感の欠如が逆説的にある種の整合感を生んでおり、BGMとして聴く分には程好いバランスのサウンドプロダクションになっている。
この手のサウンドは後の MATT BIANCO や EVERYTHING BUT THE GIRL 等が継承するイギリス特有のスノビッシュサウンドの一つの源流なのかなと思っている。
インポートブランド(サウンド)をありがたがる所謂舶来品愛好という嗜好性において。
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