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Dehumanizer / BLACK SABBATH

Lenny ★★ (2010-01-17 19:03:00)
トニー印のリフ満載の楽曲、魔力を増したロニーの強力なボーカル、
豪快にうねるギーザーのランニングベース…とにかく素晴らしいの一言。
「Computer God」ではトニーお得意のカタルシス展開が聴けるし、
「TV Crime」はメタルファン歓喜のファスト・チューンだ。
その他にも、一度聴いたら歌えるサビが魅力的な「I」、
ウェインズ・ワールドのサントラにも入っている「Time Machine」など、
粒ぞろいの楽曲が並んでいるので、聴きごたえのあるアルバムである。
ただ少し残念なのが、ヴィニーのドラム・サウンドである。
アルバムに漂う「90's的なモダンな無機質さ」は、
硬質なドラム・サウンドによるところが大きい。
コージーのドラミングも硬質なサウンドなのだが、
このアルバムの場合、硬質なドラム・サウンドによって『グルーヴ』が減退しているのが惜しい。
初期サバスも、無機質な重金属リフと、時にジャジーなビルのドラミングがあってこその物なのだ。
そういうわけで、サバス作品を一通り聴いていると、やや違和感が無いでもない。
しかし90年代初頭に残されたメタル作品として、かなりの高品質であることも間違いない。
「Heaven And Hell」の頃のサバスと比較するより、
サバスの影響をモロに受けたサウンドで当時人気が出始めていた、
いわゆる「グランジ」勢力(サウンドガーデンやアリスインチェインズ)の作品や、
メタリカの「ブラック・アルバム」、メガデスの「破滅へのカウントダウン」等の
スピード抜きにカッコイイアルバム達と並べて聴くのが良いかもしれない。