この曲を聴け! 

Refresh the Demon / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★ (2006-08-09 22:09:00)
'96年発表の5thアルバム。丁度この時期は、メロディ志向の日本市場と、ヘヴィ志向の欧米市場のギャップが
埋め難いほどに広がってしまっていて、メロディとヘヴィさのバランスこそ最大の武器であったANNIHILATORにとっては
「あちらを立てれば、こちらが立たず」ってな具合で、最も活動が困難な時期だったのではなかろうか。
そんなわけで(?)本作は、複雑でドラマチックな曲展開を控えめにした、かなりヘヴィでソリッドな仕上がり。
前作の経験を踏まえて、自分の荒々しい声にあった、ストレートなアグレッシブ・チューンをズラリ揃えた
その判断は的確で、作曲能力の高さも含めて、流石、ジェフ・ウォーターズといったところなのだが、
問題はその作風が、叙情メロディと劇的な曲展開を愛する日本のファンには、余り受け入れて貰えなかった点か。
(美しいバラード“INNOCENT EYES"を「日本盤のみのボーナス・トラック」として収録してる辺りにも彼の苦悩が伺える)
従来のANNIHILATOR節が堪能できる①“REFRESH THE DEMON"、軽快に疾走するポップ・チューン⑦“CITY OF ICE"、前述のバラード⑪等、
佳曲も多数収録されていて、決してつまらない作品ではないのだが(というかANNIHILATORに駄作はない)、
大多数の日本のファンがこのバンドに求める理想像と、ジェフが生き残るために選択したスタイルとのズレが、いよいよ顕著に表れた1枚。

→同意