この曲を聴け!
Cyclorama / STYX
クーカイ ★★ (2003-05-01 22:50:00)
'03年発表。
最初にはっきり言っておく。本作は「久々のクリーンヒット」ではない。「逆転満塁場外ホームラン」である。
全く、聴いていて随喜の涙が止まらない。本当にもう。
失礼。やや興奮している。正直なところそんなに期待はしていなかったのだ。なにせ前作があんなふうだったし。だが、STYXの楽曲で好きな曲を挙げるとトミーの曲が多いことに気づいたのである。要するに私にとってデニスの不在は「寂しいが我慢できないほどではない」程度なのだ。だったら、買って聴こうじゃないか!そんなのりだったのだ。
で、聴いてみたらこれがあんた!(って誰に言ってんのか)素晴らしい出来である。とりあえず冒頭の「ナ~ンミョ~ホレ~ンゲ~キョ~」が脱力を誘うのだが、曲が始まってみると立派なパワーポップで、なかなかの好感触。その後の数曲もDAMN YANKEESでやっていたような曲で、トミーの良い所(いや、他のメンバーの曲も混じっているんだけどね)が十分発揮されている。特に⑤はテンポがよくサビがキャッチーな名曲。ここまでが最新型STYXのお披露目目。そして問題はこの後なのである。⑥から⑨の曲があれれ?なんか懐かしいSTYX節が聴こえてくるぞ・・・と思っていたら、⑩で懐かしいあの曲を小品に仕上げ区切りを付け・・・。その後はなんと'70年代後半のSTYXが大復活である。そう、あの名作群の名曲たちと同じ匂いのする曲が3連発。もう私のような人間にはたまりません。これぞ、アメリカン・プログレ・ハードである。これがSTYXである。
凄いサービス精神旺盛な本作は、確かにデニスが居たら作る事が出来なかったのだろう(前作でのデニスの曲は毒にも薬にもならないポップチューンだったし)。あの甘い声が聴こえないのは寂しいが、このレベルの作品が今後も聴けるのであれば、ぜひ現体制で末永く活動してもらいたい。そう願わずにはいられないのである。
→同意