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Night of the Stormrider / ICED EARTH
火薬バカ一代 ★★★ (2006-12-07 22:51:00)
「ドラマティック・スラッシュ・メタル」と聞くと、DESPAIRの3rd『BEYOND THE REASON』と共に真っ先に頭に思い浮かぶのが、このICED EARTH'92年発表の2ndアルバム。
既に確固たる個性を築いていたとは言え、まだオーソドックスなパワー/スラッシュ・メタル風味が強く、収録曲のクオリティにもバラつきが見られたデビュー作に比べ、今回はメンバー・チェンジでVoの
歌唱力がUP(特にメロウな歌い上げが魅力)。よりツインGの煽情度も高まり、各楽曲の平均クオリティとドラマ性が飛躍的に向上・・・と、捨て曲皆無の高い完成度を誇る作品に仕上がっている。
そして何より、コンセプト・アルバムという舞台装置を用意し、アコギ、生ピアノ、オーケストレーションの大胆且つ効果的な導入、アコースティックな小曲で曲間を繋ぎ、ドラマを流麗に物語っていく
その演出手腕には、いよいよ「ICED EARTH本領発揮!」といった感が強く漂う。
その最高峰が、世のメタラー諸氏の度肝を抜いた事で知られる、劇的極まりない名曲①。カール・オルフの“FORTUNA"ばりにドカンと炸裂するイントロには、個人的にも失禁しそうになるぐらい痺れさせて頂きました。
②を筆頭に、エッジーなリフの刻みを聴けば、この頃の彼らが未だスラッシュ・メタルのフィールドに留まっている事が分かるが(そしてまたそこが良い)、本作の成功で自信を深めたジョン・シェイファー(G)は、これ以降、ドラマティシズムの追求に血道を上げていくことになる。
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