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Wired / JEFF BECK
Straysheep ★★ (2004-11-26 18:17:00)
前作の成功により自らの方向性に自信を持った彼は、次なるステージに歩みを進める。
本作でのテーマは、かつて憧れたマハヴィシュヌ・オーケストラのような、演奏者個々のスポンティニアスなアドリブの応酬により生まれる、緊張感のある演奏現場の創造。
より自分に刺激を与え、燃えさせてくれる強力な対戦相手との息詰まるやり取りの中に、当時の彼はミュージシャンとしての生きがいを見出していたのではないだろうか。
「対戦者」には願っても無い強力な二人を呼ぶことができた。第一期マハヴィシュヌのヤン・ハマー(Key)と、同じく第二期のナラーダ・マイケル・ウォルデン(Dr)。
彼の目論見はタイトルが示す通り、電流のごとき痺れるような気迫と気迫がぶつかり合うテンションの高い演奏により現実のものとなった。
テクニックどうこうではなく、漲る「気」の充実にこそ着目して頂きたい演奏だ。
この作品もまた発表当時から現在に至るまで高い評価を維持し続けている傑作アルバム。
個人的には本作のナラーダのドラミングにハードロックドラムの理想型を感じている。
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