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Surveillance / TRIUMPH
火薬バカ一代 ★★ (2007-12-24 22:57:00)
レコード会社との関係悪化や、メンバー間の不和など、制作当時、バンド内部の状況は修復不能な程にガタガタだった
らしいが、まるでそうとは感じさせぬ快作に仕上がった、オリジナル編成では最後の作品となる、'87年発表の9thアルバム。
レコード会社からのプレッシャーで、産業ロック的なポップさが強調されていた前作(でも完成度は高かった)に比べると、
今回は、PROLOUEやPRELUDEを随所に配した流麗な構成といい、ハード・ロッキンなエッジと、哀愁のメロディを取り戻した
楽曲の数々といい、ほんのりとながらも、かつてのTRIUMPHらしさを回復。(コンセプト・アルバムなのだとか)
まぁ、基本的には前作『SPORT OF THE KING』の路線を継承するサウンドだし、リック・エメットのGは完全に脇役に
徹していて、ブルーズ風味の泣きメロや、ドラマティックな曲展開といった要素も排除されているが、
とにかく、序曲①を経てスタートする憂いを帯びたキャッチーな②、ゲスト参加しているスティーヴ・モーズの
スリリングなGプレイが炸裂する③、組曲形式で繋がっていく、起承転結を兼ね備えた④⑤といった楽曲が並ぶ、
アルバム前半の完成度の高さの前には、少々の不満は吹っ飛ぶというもの。
中盤の楽曲がやや弱い点も惜しまれるが、叙情的なバラード⑪や、ラストを締める爽快な⑫が
これまた良い曲なので、聴き終えた後の満足感は十分。
とてもバンド内の状況が最悪だった時期に作られた作品とは思えぬ、充実した内容を誇る名盤。

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