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A Sun That Never Sets / NEUROSIS
絶叫者ヨハネ ★★ (2006-03-11 20:38:00)
地獄のBGM。
一聴して、「見え」ました。溶岩の河と、硫黄のふり積った丘、赤く焼けただれた大地を列を成して呆然と歩く亡者の群れが。……とにかくおそろしい事このうえない音楽です。まさに怪物。
スタイル的には弦・管楽器等も取り入れたプログレテイストのドゥームメタル、特にジャーマン・サイケ・プログレの影響を感じさせる音、と形容できないこともないのですが、彼らの音楽をスタイルどうこうの見地から語るのは的外れもいいところなのでこういう話は止めておきましょう。
なんというか、人が内心深く抱える苦痛や恐怖、罪の意識といった、人類の「業」みたいなものをそのまま音にしたような苦悶に満ちた作風。果てしなくうち続く拷問に、狂わんばかりの叫びをあげる罪人の心境に近いものがあると思います。聴くのがたいへん苦しいです。
彼らのサウンドを表して、「スピリチュアル」という言葉が使われますが、これは「霊的」とか「神聖」という類ではなく、「魔」の精神性。ちょうど、ミルトンの失楽園とか、ダンテの神曲に出てくるような、神に反逆して地獄へ追い落とされた堕天使たちの歌声とか、ブッダが悟りを開く直前に遭遇したマーラ(魔王)の軍団のラッパ手が吹き鳴らす行進曲とか、そういう邪悪なスピリチュアリティーです。
芸術性に満ちあふれた、「すごい音楽」であることは間違いありませんが、聴いて楽しいかとか、幸せな気分になれるかというと、これはこれでまったく別問題。とりあえず気が滅入っている時とか、普段から塞ぎ込みがちな方はあまり手を出さないほうが賢明かと。
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