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The Work of Idle Hands... / SLAMMER
火薬バカ一代 ★★ (2008-01-23 22:10:00)
いきなりメジャー・レーベルのWEAからデビューを飾り、イギリスHMシーンの低迷を打破する可能性を秘めた
バンドの1つと期待されながらも、結局、大きな成果を残せないままアルバム2枚を残して解散してしまった、
イギリスはブラッドフォード出身の5人組スラッシャーが、'89年に発表した1stアルバム。
ちなみにプロデュースは、METAL CHURCHやANTHRAXとの仕事で知られるマーク・ドッソンが担当。
ジェイムズ・ヘッドフィールド風のVoの歌唱スタイルといい、起承転結がハッキリと打ち出された楽曲といい、
露骨にMETALLICAの『MASTER OF PUPETTS』からの影響が表れた音楽性ながら、あれ程の大作主義ではなく、
また、スラッシュ・メタルならではの荒々しい疾走感がより強調された作風ゆえ、結構取っ付き易く、
最後までサクサクと聴けてしまう。特に、前置きなしに疾走を開始する①、畳み掛けるようなスピード感が心地良い②、
アコギを用いてダイナミックに展開する③⑤といった楽曲は、なかなかに良く出来たスラッシュ・ナンバーだ。
『MASTER~』路線を演るには、楽曲のドラマ性の乏しさ、分けてもツインGの存在感の薄さが大きな弱点で、
そのせいか全体的に華に欠ける地味な印象が拭いきれない作品・・・なのだが、暗く湿ったリフ、煮え切らないメロディ、
ハジけない曲展開と、NWOBHMの伝統を受け継いだ「これぞ正調ブリティッシュ・スラッシュ・メタル!」
なサウンドが個人的にツボなので、どうしても評価が甘くなってしまうなー、と。
XENTRIX、D.A.M.、APCALYPSE、PARAIAHといったバンド名にピンと来たスラッシャーは、トライしてみる価値のある1枚。

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