この曲を聴け! 

Wings of Heaven / MAGNUM
火薬バカ一代 ★★★ (2008-04-01 22:54:00)
6th『VIGILANTE』に伴うツアーが、全公演ソールドアウトという大成功を収め、アンコール・ツアーまで実現させて
勢いに乗るMAGNUMが、プロデュースにアルベルト・ブックフルトを迎えて制作、'88年に発表すると、
全英チャート4位に輝く等、MAGNUM史上最大のヒット作となった7thアルバム。
いきなり、爽やかなメロディアスHRチューン①で本編の幕が開く事からも察しの付く通り、本作は『VIGILANTE』の作風を
順当に継承した産業ロック路線を取りつつも、(QUEENやBON JOVIのライブでお馴染みの)ウェンブリー・アリーナで
ライブを行える程の国民的人気を得たバンドの自信が、覿面に作品のクオリティに反映されていて、メンバーのパフォーマンスと
楽曲の説得力は、前作から桁違いにUP。初期の音楽性に拘るファンの不満をも粉砕するその貫禄は、まさに横綱級。
また、前作のポップ方向に振れ過ぎた仕上がりを反省してか、今回はHR的な重厚感とドラマ性がやや回復傾向にあり、
その好例と言えそうなのが、名作『ON A STORYTELLER'S NIGHT』の頃を思わせる、陰影に富んだドラマティックな曲展開を
備えた②と、本編のハイライトとも言える、ラストを荘厳に締め括る10分以上に及ぶ大作⑧。それ以外にも、
ゴスペル・コーラスをフィーチュアした叙情バラード(⑤)あり、キャッチーなポップ・チューン(③)ありと、
強力なフックと哀愁のメロディに彩られた収録曲は、何れも粒揃い。まさにMAGNUMの絶頂期を飾るに相応しい名盤と言える。

→同意