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Face of Despair / MORTAL SIN
火薬バカ一代 ★★ (2006-12-05 21:23:00)
折からのスラッシュ・メタル・ブームを追い風にデビュー作『地獄の叫び』(’86年)がヒット。PHONOGRAM RECORDSとの間で「アルバム8枚契約」というDEF LEPPARD以来と言われた大型ディールを成立させ、'89年に満を持して発表した2ndアルバム。一般的にMORTAL SINの代表作と言えばやはり本作でしょうか。
メジャー・レーベルへの移籍効果か、プロデュースを名手ランディ・バーンズが手掛けたことによりサウンド・プロダクションが飛躍的に向上。各メンバーの演奏のキレ味も増していて、特に「バンド名がバンド名だけに仕方がない」とジョークのネタにされること多々あったドラムのモタリ具合も改善され、全体的にも、自主制作ゆえの垢抜けなさが感じられた前作から、一皮も二皮も剥けた印象を受ける仕上がりと相成りました。
ところがどっこい。スキッと垢抜けたことで、逆に楽曲からNWOBHM的なダークネスやじめじめとした湿り気が抜けてしまった点は痛し痒し。洗練と引き替えにMETALLICAフォロワー度に益々拍車が掛かってしまったことは皮肉と言うか何と言うか。
とは言え、「METALLICAっぽくて何が悪い?」と開き直って聴けば、キャッチーな疾走感とツインGのハーモニーが印象的な③を筆頭に、楽曲の完成度には相変わらず侮れないもの有り。後は「この1曲!」という強烈なキメ曲が生み出せれば…という願いは叶わず、バンドは本作を最後に解散してしまった。(残党が作った3rdもあるらしいけど未聴)
しかし、最近密かに再結成して活動中との噂もあり、なら是非とも新譜を聴いてみたいところですよ。
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