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Infernal / EDGE OF SANITY
火薬バカ一代 ★★ (2007-11-15 22:09:00)
40分以上に及ぶ超大作“CRIMSON"1曲のみで構成された問題作、5th『CRIMSON』(国内盤にはボーナス・トラックが
収録されてたけど)がファンから総スカン食らった事に懲りたのか、再び軌道修正を図って'97年に発表した6thアルバム。
前作のやり過ぎ大作主義から一転、今回の収録曲は、何れもコンパクト且つストレートにまとめられていて、
Keyやアコギ等の凝った装飾を排したアレンジも、至ってシンプル。破壊的な音色で刻まれる図太いリフ&リズムが
強調された作風は、まるで3rd『THE SPECTRAL SORROWS』以前のそれに立ち返ったかのよう。
疾走チューンのテンポが、ブラスト・ビートから2ビート主体へと落ちている事と、ツインGの絡みがより整合性を
増したこと、そして北欧的な悲壮感や耽美性が薄まり、スッキリと垢抜けたメロディの質の変化とが相俟って、
メロディック・デス・メタルというよりも、正統派のスラッシュ・メタル化が進んだような印象もあり。
とは言え、ダン・スウァノの曲作りの巧さは相変わらず冴えまくっているし、何より、他の誰にも真似できない
特異なリフ・ワークも健在。クリーンVoを活かしたドラマチックな①③、激烈なスピード・チューン②⑥⑨、
小気味良く疾走するリズムの上に、ニューウェーブ風味のVoが乗っかった⑦、ラストを厳粛に締め括る
メロウでモダンなバラード⑪といった楽曲で炸裂する、クールなリフの数々は最高です。
・・・と、なかなか優れた内容でありながら、良い曲とそうでない曲のクオリティのバラつきが大きいため、全体としては
地味な印象が否めず、失墜したEDGE OF SANITYの人気を回復するには、ややパワー不足な作品なのであった。残念。

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